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フリーランス漫画家の裏日記

とあるアイドル好きの漫画家の日記とちょっとしたぼやき。

作家になると

漫画家になる前はサラリーマンをしていた。

新橋でIT系のOLをやっていたり、WEB製作会社で働いたこともあった。

その当時はそのキャリアが私の全てだったので、漫画家に転職するときはなんとなく、食い詰めたらまたもとの仕事に戻ればいいだろうと気軽に思っていた。

でも、連載スタートして早三年、専属からフリーランスになったり作品の2次展開でものすごい目にあったり、色々あったんだけど、作家として生きていく覚悟が決まるにつれて、もとのサラリーマンに戻れない気がすごくしてきた。

気持ち的に嫌とか、誰かに使われるのが嫌とか、忙しいの嫌とか、まあ気持ちとしてないわけじゃないけれど、メインはそういう理由じゃない。

 

私の中で、サラリーマン時代に「もやもやすること」にぶちあたった時、「まあいま気にすることじゃないか」「私が考えても仕方のないことか」「そういうことにこだわるとうまく世渡りできない」という考えで受け流していたように思う。

でも、作家という仕事は、「もやもやすること」にぶちあたったときこそ、そこを掘り下げて、自分の見たくない部分までサルベージして、生まれてきた自意識の一部を表現に昇華して娯楽を提供する仕事なんだと最近感じるようになった。誰もが受け流したい現実を、自我の中でいためつけてろ過してエンタメに変えるから共感や評価をもらえる。そんなお仕事が作家さん。

 

すごい短絡的な発想だと自分でわかっているけど、私はようやく3年たって手に入れた「もやもやと対峙する自意識と覚悟」を、サラリーマンに戻ることによって失ってしまわないかが怖いと感じている。忙しさとか人間関係における都合の良さで、こだわりのない自分に戻るのじゃないかと。そもそも、両立しながらできることなんだろうか。他の人は、結構うまくやれるんだろうなとも思う。

 

でも、機会があったらまたしてみても良いと思ってるサラリーマン。実は、こだわりなくアクティブに働いてる自分のほうが、自分を好きになれる気はする。

でもでも、漫画家業はそれ以上に、「やめたくない」と思っている。引きこもって作品や感情に浸って不安定になる自分は、あまり好きじゃないけど。

その不器用さが私の形なんだろう。

 

なりたい自分と、今必要な自分と、現実の自分はいつも一致することなくうつろいゆく。

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