フリーランス漫画家の裏日記

とあるアイドル好きの漫画家の日記とちょっとしたぼやき。

AKB48選抜総選挙を久しぶりに見て感じたこと

AKB48総選挙公式ガイドブック2017 (講談社 MOOK)

 

この記事は、総選挙を見て感じたことを散漫にまとめたメモと、アイドルに疑似恋愛してしまうことについてアイドルオタクの目線から語ったただの個人的な感想です。かなり長め。

 

私について
2007~2009くらいまで劇場公演に頻繁に通ったり劇場版BLTで生写真を集めたりGロッソも見に行ったり、データブック的な同人誌を出したりしていたAKBオタクだった。
桜の栞以降から劇場公演に当たらなくなり、オンデマンド契約するも、在宅より劇場公演が好きだったことと、箱推しだったが組閣祭りで好きだったチームがバラバラになってしまい徐々にテレビで見る程度になっていった。
今もアイドルオタクなので嫌いになったわけではない。
当時の推し高橋みなみチームK箱押し、パジャマドライブ公演推し

 

タブーを切り開いてきたAKB48のアイドル業界での立ち位置

AKB48はアイドル業界でタブーと言われてきたことをわりと開拓して地下アイドルからメジャーシーンに躍り出てきた歴史がある。
大人AKB(人妻OK)、SDN48(20代以上限定)、選抜総選挙、組閣祭り(チーム解体)
公式で百合展開など(GAMもやってたけど)
→そういう側面からすると結婚騒動は歴史のタブーに切り込んだ面白い出来事という見方もできる

 

初期メンバーの怒りの理由について考える

指原の反応(私も問題起こしてるからその場では言えなかった)←指原は考え方が完全に大人側になっている
高橋みなみ大島優子の反応←初期メンバーは総選挙が賛否両論で強制参加だった時代を生き延びて来たのでそれぞれかなり強い思い入れがあるのはわかる
→諸先輩の反応の根本的な部分は、結婚の倫理的な可否ではなく、総選挙をファンと自分の信頼関係を形にする場所と考えてきた?

 

アイドル文化がグローバルな価値観に晒される時代になってきた
欅坂の衣装問題、オタ芸裁判など

 

総選挙とはどういうイベントなのか

結果に影響するほど本気で推すために相当なお金がかかる
最初は応援の気持ちだけだったとしても、周囲の環境に流されて使う額がインフレしやすい。
お金や数字が目に見えやすいが、同じ子を推している他人も可視化されやすい→競争心理を煽られやすい
逆に言えば使ったお金が目に見えた数字としてアイドルを押し上げられる合理性がある(いくらつぎ込んでもずっと売れない、センターになれないというストレスがない)
新規、古参関係なく、得票を積んだ者が一番の貢献者になれる明快さ
→AKBはそういうシステムなので、段々疑似恋愛的な感情を抱くようになってしまった男性を一方的に責めれない部分はあると感じる

アイドルオタクの男性ってどういう人なのか、昨今のアイドルシーンの動向

世間一般のイメージはともかく、私が2010年くらいから付き合いのあるアイドルオタクの男性たちはとても繊細でハートフルで、なかにはものすごく仕事のできる人もいたし、社会的に結構なポジションにいる方もいたかと思うと、心配になるくらい奥手な方もいた。私の個人的な観測範囲での彼らの共通点をあげるなら、女性に対して憧れとか尊さとか、もしくは逆にものすごく一般化しようとしたり、自分よりちょっと見下したり、娘のように見ていたり、とにかく不器用に偶像の女性との距離感を楽しんだり持て余したりして、遅れて来た青春のように日々を過ごしているところだと思う。

私はそういう彼らの「アイドルヲタクの総意や雰囲気」みたいなのを感じながら、なんとなく奥ゆかしいその共通意識が心地よくてずっとアイドルヲタクをしている。自分がその感情の対象になりたいとかそういうわけではなくて、ただそういう人たちの奥ゆかしさとか不器用さに共感したりちょっと引いたところから面白がったり、たまに可愛いなとか愛しいなとか、そういう気持ちを抱くことが居心地がよかった。良いことだけじゃなくて、めんどくさいなと感じることも多かったけど。圧倒的に異性の多い市場だから、少し引いて見れる距離感でいられたことも良かったのかもしれない。

なかには確かに「ガチ恋」と呼ばれる、アイドルに対して恋愛感情を抱く方も多くいて、もしくは無意識に疑似恋愛していたことに水着のグラビアやドラマや舞台でのイケメン俳優との絡みで気付かされるとか、そういう局面も何回も見て来た。
でも、彼らは対象の人を不幸にしたくてそうなってしまったわけではないし(最初から繋がってやろうなんてイケイケな厄介は別として)偶像を好きになるという意味に置いては、二次元や無機物に恋をする人だって今はわりと一般的な気もする。
今、現実での人とのつながりが希薄で、だれもがSNSで人気者になれる現代社会では、疑似恋愛とか他人を応援するという感覚が、なにか新しい感覚に変化しつつあるんじゃないかと私は感じることが多い。

確かに恋愛感情を原動力にした男性は、アイドルと自分の時間を独占したいためにマネーゲームのような様相を呈したり、 同じアイドルを推している者同士で殺伐とした雰囲気になってしまったり、マイナスな側面も大きい。こういう本能や嫉妬をお金に換えるシステムを大人が意図的に歓迎しているグループも多くて、そういうグループに疲れたオタクや大人たちが増えたことで、最近はどちらかというと「音楽性やパフォーマンスを頑張るグループを甲子園のように応援する」スタイルが増えてきたように思う。
マスコミやメディアがオタクや地下アイドルの「残酷物語」をキャッチーに脚色して消費していることもその流れを加速させてるように思う。

メンバー個人への疑似恋愛や応援を効率的に数値化して貢献できるAKB48のシステムが現代アイドルの王道を確立したカウンターとして、ももクロみたいなダンスやライブを一生懸命頑張るアイドルを皆でスターダムに上げるというのもそういう流れのひとつだし、AKB48の公式ライバルとして立ち上がった坂道グループがクリエイティブにこだわって戦略的にPRしているのもそういうことかもしれない。

そんなわけで今、アイドルシーンは「ファンが恋愛感情を原動力にすること」に「アイドルとは思えないいい音楽」や「頑張っているストーリーを応援」というアンチカウンターを打ち出すことが主流となっている半面、アイドルと恋愛感情を結びつけることがとてもデリケートで、トレンドではないという流れがあるように思う。

以前友人に誘われてジャニーズ系アイドルのライブにいったことがあったのですが、一番驚いたのはファンがアイドルに対して恋愛感情を抱くことを前提としてMCが組まれて、「みんなとデートだね」みたいな発言や、「俺たちがエスコートしてあげる」的な理想の彼氏的なファンサがふつうに飛び交ってて、なんというか覚悟がすごいなと。
これが女性アイドルだったら、「私はみんなの彼女だよ」「今日のライブはデートだね」「私だけ見てね?」みたいな煽りだと思うんですが、最近そういう事言うアイドルメインストリームに少なくなった気がします。(主観ですが)
恋愛禁止を謳って(スキャンダルはともかく)正統派なアイドルを輩出し続けるAKB48のシステムが、ひょっとして疑似恋愛を肯定する最後の砦なんじゃないかと思うくらい。

私も個人的には「恋愛感情」より「応援」の気持ちでアイドルを好きになるタイプなので、応援スタイルのアイドルがたくさんいることは個人的には問題はないのですが、あの奥ゆかしくて繊細な男性たちの割り切れない恋愛感情は、世間や流行から取り残されて、どうなってしまうんだろうなと少し寂しくなる気持ちもあります。

こんなにアイドルがブームになる以前は、アイドルオタクの人たちはガチ恋してる人もいれば好意を極端な何かに昇華する人もいたり、癒しを求めてやってきた男性たちが表舞台から逃げるようにやってきた沼感があって結構カオスだったと思うんですが、急速にファン人口が増えたことで、必然的にグローバルな価値観や世間一般の好奇心に晒され続けてる気がします。
でも本来アイドルオタクの男性って一番時代の流れに流されず、好きなものにとどまる一途さが良いとこだったり玉に瑕だったりするものだと思うんですが、そういう本質的な部分を今のアイドルシーンは救えてない気がするんですよね。誰が悪いとかではなくて、ここ10年くらいのアイドルを見続けてきたひとりとしてなんとなくそんな空気を感じています。

これからのAKB48はこうなってほしいというただの妄想

たぶん、今のAKB48は総選挙システムだけがずっとサイクルを繰り返して機能してる状態で、昔はたたき上げの初期メンバーがそれぞれの意志とか矜持で乗り切ってきたマインドがオウンプレーで終わってしまっていて、今のメンバーは総選挙システムを持て余している気がします。なんとなく総選挙=AKBという図式があって、総選挙があるなら恋愛禁止じゃないと票が稼げないよね、というシステムに縛られて、翻弄され過ぎているのがバランスが悪いのかなあと。
恋愛禁止とか、総選挙不出馬をもっとカジュアルに任意選択できるようなシステムになったらいいなと個人的に思います。
大堀恵ちゃんや川崎希ちゃんが今ママさんタレントやお騒がせ夫婦として頑張っているようなことを、現役のAKBがやっても面白いんじゃないかという気はするんですよね。今で言うと、クビになっちゃったけど、正統派アイドルなLinQ伊藤麻希ちゃんというガチでプロレスできる強烈な子がいるような構図ってやっぱり面白いなと。
そもそも昔のAKBってそういう層の厚さが人気獲得に繋がってたように思います。私は秋元才加ちゃんとか、チームKのあの体育会系な感じとか、増田有華ちゃんのアイドルっぽくない本格的な歌唱力とか、大堀恵ちゃんが干されから自己演出だけでのし上がってソロデビューする流れとか、とても好きでした。そういう個性派なドラマがもう一度AKBで見てみたいなという気持ちがあります。個性的な子って選挙に弱いけど大人に評価されやすいという側面があるので、そういう子が疑似恋愛システムに負けないように恋愛禁止任意選択とか、総選挙は基本不出馬とか、ロールモデルがあればバランスがとれるのかなという気がします。
その反面で、恋愛禁止で正統派なアイドルをやれる子を常に打ち出して、男性の疑似恋愛で夢を叶え続けるシステムを前向きに維持しててほしいです。しばらくライブアイドル界隈では疑似恋愛を売りにするアイドルが上がって来てない気がするので。

総選挙不出馬も、戦場に上がらなかった負け犬みたいな扱いがすごいなってメディアを見てて感じるのですが、それってすごくやりづらいんじゃないかって思います。もっとキャラや戦略として「出ない」みたいなことをできると後進の若い子も自分の将来について可能性を想像しやすい気がします。

これはただの主観的希望で何の根拠もないんですが、最近48系もスカート丈が長くなって、坂道系の路線に曲が引っ張られているより、大声ダイヤモンドやbabybabybabyみたいな制服や水着で元気に踊ってくれるのAKBをもう一度見たいと個人的には寂しく思ってます。riverやフライングゲットみたいな武骨な曲もいいな。フォーチュンクッキーみたいなピースフルな世界をまだまだ人は求めてると思うし。

最後に、アイドルでいながら結婚するということは許されないことなのか

矛盾してるかもしれないけど、私はアイドルは結婚していいと思うし、AKBにいたって下部組織から脱却できず売れない子達もいっぱいいるのだから、幸せになる方法を選ぶ権利はあると思います。ただそれは私が同性だから言えることだと言われればその通りだとも思います。

でも、ハロプロOGのメンバーの結婚ラッシュが続いて、年齢的にファンの覚悟がついてきたりすることもあるし(そうじゃない人も勿論いるけど)、そういうことがあたりまえのことだとファンの多数派の感覚が時代と共に変わっていくとも思うし、キャラによって許される許されないが出てしまう部分も大きいと思う。

私はりりぽんのことを良く知らないから、彼女がしたことが正しいか正しくないかは彼女と当事者のファンの関係性の中でしか出せない答えだと思っています。
ただ、このことで大金積んだファンが気持ち悪いとか、疑似恋愛して結婚を喜べないオタクは気持ち悪いとか、そういうアイドルを好きになったことのない世間一般の声に、みんなの逃避場所がまみれてしまうのは悲しいことだなと、AKB他界した古参でアイドル好きおばさんとして感じるこのごろでした。
AKBは色んなキャリアやキャラの子が八百万の神みたいにいるアイドルグループだと幸せだなと思います。

このブログは議論を呼びたいのではなく、感じたことを今の感覚で記録しておきたくて書き留めました。悪しからず。

広告を非表示にする